大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4340 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人環直彌、同樫田忠美、同上松貞夫の各上告趣意は、末尾添付の別紙各書面

記載のとおりである。

環弁護人の上告趣意第一、二点について。

公職選挙法二五二条の選挙犯罪による選挙権及び被選挙権停止の規定が所論憲法

の規定に違反するものでないことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴し明らかであ

る(昭和二九年(あ)第四三九号、同三〇年二月九日大法廷判決参照)。それ故、

裁判所が公職選挙法二五二条三項により右停止の規定を適用しないことを宣言しな

かつたからとて、違憲というに足りないこともまたいうをまたない。なお右の選挙

権及び被選挙権の停止は選挙犯罪による処刑に伴う当然の効果として規定されてい

るものであつて、同条三項による宣言をするか否かは、裁判所の犯情による裁量に

委ねられていること一般の量刑上の判断と異るところはないのであるから、右宣言

をしない場合に特にその理由を判決に説示する要なきものであることは、論をまた

ない。

論旨はいずれも理由がない。

樫田弁護人の上告趣意第一点について。

所論の憲法三七条にいう公平な裁判所の裁判とは、組織及び構成において不公平

や偏頗のおそれのない裁判所の裁判をいうものであることは、当裁判所の屡々判例

として示すところであるから、裁判所が関連する被告事件を併合して審理しなかつ

たからといつて、直ちに公平な裁判所の裁判でないと主張する論旨は採用し得ない。

また裁判所が併合審理をしなかつたことを不当として非難する論旨は、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。

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樫田弁護人のその余の上告趣意及び上松弁護人の上告趣意について。

各所論は、事実誤認、原判示の認定に副わない事実に基く単なる法令違反または

量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年六月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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